お灸で自律神経を整える!その効果とセルフお灸の方法を紹介
約3000年前から、不調時の治療法として取り入れられているお灸ですが、自律神経を整える施術としても人気があります。今回は、お灸が自律神経の治療に効く理由と、セルフでも簡単にできるお灸の使用方法をご紹介します。
この記事を読むための時間:3分
お灸が自律神経に効く理由
自律神経を整えるために、お灸療法を取り入れるケースが多いのはなぜでしょうか。ここでは、お灸が自律神経に効く理由を解説します。
血行改善
体に温熱効果を加えると、筋肉や血管、リンパ節が刺激されます。そのため、血管が収縮・拡張し血行やリンパの流れが改善されるのです。これらはむくみの解消の他、充血や貧血の調整、炎症をやわらげる効果も期待できます。自律神経の乱れは、血行不良を引き起こしやすいので、まさに整えるための重要な要素といえるでしょう。
気・血・水の改善
東洋医学において、人間の体は「気・血・水」のエネルギーで生命活動が維持されているとされています。これは自律神経を整えることにも関係しており「気・血・水」の不足や流れが滞ると、あらゆる不調が起こってしまうのです。その改善に役立つのがお灸による「経穴(けいけつ)」。いわゆるつぼへの刺激です。温めてつぼをほぐすことで、さまざまな症状の改善が期待できます。
鎮痛、リラックス効果
お灸の素材として主に使われる「ヨモギ」は、強力な消毒・殺菌・鎮静・鎮痛作用をもつ万能植物です。お灸によってこの成分を皮膚の表面から浸透させることにより、ヨモギのもつ作用で不調改善効果が期待できます。また、匂いにはリラックス効果もあり、お灸によって立ち上る煙も体の不調改善や、自律神経を整えるのに大切な要素です。
自宅でできるお灸の種類
お灸といえば、鍼灸院で行うイメージがありますが、自宅でできるセルフ用のお灸も発売されています。ここでは、自宅でもできるお灸の種類についてご紹介します。
点灸
点灸はお灸の中でもっともメジャーですが、上級者向けの使い方です。お灸を直接肌の上に置き線香で火をつけるので、つぼへダイレクトに熱が伝わります。しかし、お灸を取るタイミングを見極めないと火傷をする危険性も。初心者は必ず専門家の指導を受けてから、使用して下さい。
台座灸
台座灸は、台座の上にあるお灸に火をつけて使用します。お灸本体を直接肌に乗せないため、慣れていない人でも安心です。台座の裏がシールになっているため、温めたいつぼにしっかり貼り付けられるのも嬉しいポイント。さらに温める時間は5分程度と短いので、隙間時間にリラックス効果が得られます。
棒温灸
棒温灸は棒状のお灸に火をつけ、肌に近付けることでツボをあたためます。肌にお灸が触れることなくつぼを温めるため、初心者でも気軽に利用でき、おすすめです。温めたいつぼの3~4cm上から、棒温灸をかざしてください。一度に広範囲を温められるので、つぼの正確な位置がわからなくても効果が得られるのも嬉しいポイント。灰が落ちるのが心配な人は、タオルやハンカチを敷いて使用しましょう。
火未使用タイプ
火傷が心配という人向けには、火を使わないタイプがおすすめです。肌に直接貼っておくだけで、じんわりツボを温めてくれます。温熱が数時間持続するタイプなら、外出時に貼っていけるのも嬉しいポイント。自分が火傷しないのはもちろん、お子さんやペットがいる家庭でも安心して使用できます。
ピンポイントなつぼを温めるパッチタイプと、広範囲を温めるカイロタイプがあるので、使用したい部位に合わせて選びましょう。
お灸の使い方
ここでは、自宅で簡単にできるお灸の使い方を紹介します。今回は初心者でも本格的にお灸ができる、台座灸の使い方についての説明になりますので、ぜひ参考にしてみてください。
①症状に効くつぼを探す
まずは、自分の症状改善効果が期待できるつぼを探します。つぼの場所は、つぼ図をまとめたサイトや書籍で調べられるのでチェックしてみてください。ツボ周辺で、へこんでいる場所があればその部分を温めるとより効果的です。
②つぼの位置に印をつける
温めるつぼが決まったら、サインペンなどで印を付けておきましょう。特に温めたいつぼが数か所あると、次の準備をしている間にどこだったか忘れてしまうことが多いので、この作業が大切です。
③お灸を置いて火をつける(もしくは火をつけて置く)
台座灸の裏面のシールを剥がし、火を着けます。慣れないうちは指先に台座球を付けて火を近づけ、点火するのがおすすめです。煙が上がれば火はついた合図になります。印をつけたポイントに、台座灸を置きましょう。
④熱さやピリピリした刺激を感じたらお灸を取る
台座灸は5分程で行います。しかし目安時間の前でも熱さやピリピリとした刺激を感じたら、つぼの刺激が完了した合図です。無理して火が消えるのを待たずに、お灸を取りましょう。取り外す際に、台座が熱い場合がありますので、注意してください。
⑤水を張った容器にお灸を入れる
外したお灸は、まず灰皿など耐熱の容器に入れてください。この時、容器に水を張っておくと確実に鎮火できるので安心です。火が完全に消え熱を感じなくなったら、ゴミ箱へ捨てましょう。台座灸は基本的に可燃ごみになりますが、各自治体のルールを確認してください。
より効果をあげるなら鍼灸院もおすすめ
お灸はしっかりと使い方を守れば、自宅でも簡単にできるセルフケアのひとつです。しかし背中や腰など、自分ではやりにくい場所もあるのが難点。こうした時は鍼灸院の利用も検討しましょう。また、専門家の施術であれば、より効果的なつぼを的確に刺激でき、効果アップが期待できます。